日本企業の 資産売却 や GSOMIA 破棄の可能性が生じるなどかなりドラスティックな変化が起っていますが、その韓国にはいま一体どれくらい日系企業が進出しているのか?韓国進出日系企業 の数などをごく簡単に確認してみました。
韓国進出日系企業 数及び業種
韓国進出日系企業 数は420社程度
本来、海外進出企業総覧[1]を見るべきですが、いまソウルジャパンクラブ(SJC)の資料[2]を見たところ、SJCの法人会員が約420社だそうですから、日系進出企業数もこれに近い数字だと推定されます。
また、2017年に東京商工リサーチが発表し調査[3]を見ると、調査時点で日系企業社数393社、拠点数合計715か所ということです。
業種内訳
企業の業種別内訳については、上記の東京商工リサーチ調査[3]が、拠点数合計715か所の業種別内訳をFig 1のとおり集計しています。
Source: 東京商工リサーチ (2017) 「日系企業の韓国進出状況」調査 [3]
同調査によれば、拠点数を基準として見ると、
- 卸売業(耐久消費財)の割合が最も多く、本邦メーカーの韓国市場重視のあらわれ
- 各種製造業も上位に並び、日系企業は韓国国内での製造にも幅広く関与
と分析してします。
進出企業の実態
JETRO調査
ここ一連の出来事が起こる前の調査ですが、この夏(2019年07月)にJETROが「2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査 — 韓国編 —」[4]を発表しています。
- JETRO調査の調査期間及びサンプル数
- 調査期間:2018年10月9日〜11月9日
- アンケート票発送(URL通知)企業数199社、回答企業数134社
同調査によると、「2018年の 韓国進出企業 の黒字企業の割合は84.9%(営業利益ベース)と、調査対象国・地域(*)の中で最も高い」ということで、調査時点において進出先としては非常に魅力的であることが伺えます。一連のごたごたはこの魅力になにがしかの影響を与えるのかどうか?
この他にも興味深いデータが記載されていますが、すべてのスライドに「禁無断転載」と墨書されているのでこれ以上の引用は控えます💦
ぜひオリジナルをご覧ください。
(*) 調査対象国・地域: ASEAN、インド、インドネシア、オーストラリア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、ニュージーランド、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス、中国、台湾、韓国、香港・マカオ
進出日系企業 の相互関係
企業の進出パターンのひとつに「裾野産業型」というのがあります。これは、例えば日本の自動車メーカーが海外進出する時に、下請けの自動車部品メーカー等を引き連れて当該国に進出するパターンです。
韓国の場合にどのような企業構成になっているのかデータを持っていないのですが、SJCのページ[5]を見ているといろいろなシナリオが頭に浮かびますよね。
References
[1] 東洋経済新報社 海外進出企業総覧[国別編]
[2] ソウル ジャパンクラブ (2015) SJCリーフレット
[3] 東京商工リサーチ (2017) 「日系企業の韓国進出状況」調査
[4] JETRO (2019) 2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査 — 韓国編 —
[5] ソウル ジャパンクラブ SJC役員名簿