電車内の迷惑行為について、日本民営鉄道協会のデータを眺めると、ここ数年ランキングに面白い変化が見られます(Figure 1)。
これらの行為に「イラッ」と来るのはなぜなんでしょうか🤔
Figure 1: 迷惑行為ランキング最近10年の動向(タッチで数値を表示)
Source: 日本民営鉄道協会データに基づきGGCS作成
ランキングの入れ替え
「荷物」が第1位に、「音漏れ」がワースト5圏外に
2018年度調査の結果(Table 1)のうち、第2位〜第4位 は不動の御三家ですが、第1位の「荷物の持ち方・置き方」は2015年度調査で初めてランク外からワースト5入り(23.9%)し、その後も年平均成長率16%で数字を伸ばし、2018年度調査でそれまで第1位をキープしていた「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」を抜いて第1位に躍り出ました(Figure 1、赤ライン)。そして、これと同時に、「へッドホンステレオの音漏れ」がワースト5から外れました。
Table 1: 2018年度迷惑行為ワースト5+1(総合ランキング)
第1位 荷物の持ち方・置き方:37.3%
第2位 騒々しい会話・はしゃぎまわり等:36.9%
第3位 座席の座り方:34.5%
第4位 乗降時のマナーが悪い:34.3%
第5位 スマホ・ゲーム等:28.2%
第6位 へッドホンステレオの音漏れ:23.2%
Source: 平成30年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング(2018. 日本民営鉄道協会)
スマホ・ゲーム等のランク低下
他方、「スマホ・ゲーム等」(Figure 1、青ライン)はの数字はこの10年の間、年平均成長率マイナス3.4%で数字を下げています。また、「へッドホンステレオの音漏れ」も同じくマイナス3.1%で数字を下げています。
御三家の数字がほぼ横ばいで推移していることと比較すると、スマホと音漏れは以前ほど目の敵にされなくなって来ていると分析できるかも知れません(もっとも、2017-18で上昇していることを見ると油断はできませんが)。
イラっとくる原因
車内の迷惑行為にイラっとくる理由はどこにあるのでしょうか。ざっと思いつくのは次のようなところでしょうか?:
- 客観的に危険・害悪を及ぼし又はそれらを誘起する行為だから
- ルールに反した行為だから
- マウント取りに来てる感がムカつくから
- 無神経さが嫌すぎるから
迷惑行為第1位から第5位までをそれぞれの理由と対応づけてランキングを見ると、変化の動向を説明できるように見えますが、どうでしょうか?
満員電車で、なんか変な雰囲気だなと気配を感じていると、やがて「チッ」と舌打ちが聞こえ、なにやら険しい声が聞こえ、ついに紛争に発展してお客様同士のトラブルにより列車に遅れ — というシナリオを避けるためにも、この辺は考えてみると役に立ちそうです。
さしあたりのリスク回避として、付近に妙な人がいらした場合は、全力でスルーするのが正解でしょうか。少なくとも自分が当事者にならないようにしないと😅